ディジタルフィルタの研究

ディジタルフィルタ

 ディジタルフィルタは離散時間信号処理回路であり、ノイズ除去や信号抽出のために通信機器や計測機器などで利用されています。 ディジタルフィルタは扱うインパルス応答が有限(Finite)か無限(Infinite)かどうかでFIRフィルタとIIRフィルタに分類されます。 FIRフィルタとIIRフィルタの回路はどちらも遅延器、乗算器、加算器で構成されていますが、IIRフィルタの回路はフィードバックを含んでいます。

FIRフィルタ回路構成

IIRフィルタ回路構成

FIRフィルタとIIRフィルタの設計

FIRフィルタ

・窓関数法による設計

 理想インパルス応答(所望特性)を窓関数を用いて切り出し、フィルタ係数を決定する方法です。理想インパルス応答は理想周波数応答を逆フーリエ変換して求めます。 窓関数の種類は複数あり、種類によって遷移域の幅や阻止域の減衰量(遮断特性)が異なります。(方形窓、ハミング窓、ハニング窓、等)

・最小二乗法による設計

 所望特性と設計特性の誤差を二乗し、その二乗誤差が最小になるようにフィルタ係数を決定します。

・Remez による設計

 交番定理を満たすようにミニマックス設計を行うことにより、振幅特性は通過域と阻止域ともに等リプルとなります。 ここで行うミニマックス設計とは、最大誤差を最小化する設計方法です。初めに極値周波数点(N/2+2点)を定め、ミニマックス設計を行うと設計特性の極値点がずれるので、極値周波数点を変えて再びミニマックス設計を行い、何度か反復する必要があります。
*注意事項
反復時に極値周波数点がN/2+3(N:次数)個の極値点を決定できます
個になる場合は一つ減らす必要があります。
計算で掃き出し法を使う場合はガウスジョルダン法を使用すると良いです。

・線形計画法による設計

 ミニマックス設計を線形計画法の形に定式化し、単体法(simplex method)を用いて設計します。ここでは人為変数を導入し、 二段階単体法により設計します。そのまま解くのではなく、双対問題に変換してから解くと複数の制約条件で与えられた極値周波数点の候補からM+2(M=N/2、N:次数)個の極値点を決定できます
したがって、線形計画法はRemezの時と違って反復する必要はありません。

・Mthバンドフィルタの設計

 今現在勉強中です。


IIRフィルタ

・線形半無限計画法による設計

 中断中
 ここで扱う問題は目的関数が有限で制約条件が無限にある問題です。










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