離散時間システムはFIRとIIRにわけることができます。
よってデジタルフィルタのタイプとして2つあります。
これらのシステムによって実現されたフィルタをそれぞれFIRフィルタ、IIRフィルタといいます。
FIRとIIRの特徴を以下の表に示します。
FIRフィルタ |
比較内容 |
IIRフィルタ |
有限 |
インパルス応答の比較 |
無限 |
多項式 |
伝達関数 |
有理関数 |
離散時間 |
システム |
離散時間 |
ゼロ位相
完全直線位相 |
位相特性 |
直線位相は近似的に実現可能 |
常に安定する。
そのため、設計法では気にしなくてよい。 |
システムの安定性 |
設計法で安定性を満たす必要がある。 |
急峻なフィルタ特性を得るには高い次数が必要
→計算量の増加 |
フィルタの特性 |
低い次数で急峻なフィルタ特性を得る事ができる。 |
フーリエ級数法
窓関数法
Remez
線形計画法 |
設計法の種類 |
インパルス不変法
双一次変換法 |
また、設計法の種類がいくつもある事に注目して欲しい。
たとえば、等リプルの設計を基準とすると、最大誤差最小化基準を用いる設計が可能となる。
機器にはその特性に応じたフィルタ次数と得たい設計条件によって、設計法を選択する必要がある。
一般に、フィルタ次数が高次数になるとリプルは小さくなり、遷移域が広いとリプルは小さくなる。
フィルタ次数が高いメリットとして、所望特性に近づく事が挙げられる。
しかし、リアルタイムでの処理を必要とする場合、乗算演算量が多くなるため、遅延が起こる可能性がある。
遅延はDSPなどの性能に依存する。
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